さつたにかなこダイアリー

こんにちは。代表のさつたにかなこです。

①チョコレート品質のスタンダードを提供する機能として
②チョコレート品質のスタンダードを提供する機能として
の続きです。
続きのわりに、③でタイトルを変えてしまいましたが、、、(笑)カカオについての話です。

コーヒーの世界では、カップ・オブ・エクセレンス(COE)というコーヒーの評価機関があり、品質の高いコーヒーにはかなり高値もつくことから品質の高いものを作れば高く買ってもらえる、というふうな制度があるが、カカオの世界にはそれがないのではないか?という話が出てきました。
カカオとチョコレートの品評会で国際的なものは2つあります。
カカオのほうは、cocoa of excellence で2年に1度開催されているカカオの大会International cocoa award (ICA)です。世界の各セクションからベスト50が選ばれその中からさらに15~20のベストカカオが選ばれます。
もう一つは、私も審査に参加しているInternational Chocolate Awards (ICA)です。両方略称がICAでややこしいですが、こちらは世界各地(現在では11の地方大会と世界大会2か所のカカオ生産国大会)にてチョコレートをカテゴリー別に審査するものです。この機関もどこかのチョコレートメーカーに関与するような場所からの資金援助などを受けず独立した審査機関として機能しています。

ただたとえばカカオアワードのほうは、そもそもエントリーすることができる農家さんでなければ、受賞することもないですし、ICAのほうもエントリーしなければもちろん受賞しません。まずは生産者がその存在を知って、参加方法や資金など準備してルールにのっとって参加できることで初めてスタートラインにたてるものになります。
ただその労力をもってしても、日本ではこの賞を受賞したことですぐに売り上げに即決しているかといえば、そこまでは正直なところ言っていないように思います。
ところが、カカオ生産国ではこの賞はすごく機能しているように思います。
カカオアワードのほうは、賞を受賞したことが誇りとなり、農業組合に誇らしくその賞状が飾られています。カカオの取引も賞を受賞したチョコレートとなると世界中のカカオバイヤーの目にとまりやすくなります。
チョコレートアワードのほうも例えばお隣台湾では、参加者がとても積極的で、しっかりとPRにつなげて、店頭にもロゴを飾り、それによって売り上げが伸びているということでした。

2年に1度ですがいつもカカオアワードに選ばれるカカオ豆チョコレートは私もチェックします。とんでもなくおいしくてわすれられないカカオがあって、その生産者に会いに行くこともありますので、出会いを生んでくれる場所になっています。
そしてチョコレートアワードについては、年々認知度は上がってきていると思います。本当にフェアな大会なので、たとえ有名なチョコレートメーカーだったとしても無名の小さな工房に勝てないことだってあります。ブラインドテースティングで商品名やブランド名は伏して、味だけで勝負するからです。
一般審査についてはスコアを付ける側のほとんどは食品関連やジャーナリストですが、中にはトレーニングが十分ではない人も交じります。ただそれが平均値をとったスコアにおしなべればなるので結果としてよいのだということでした。
最終選考はカカオ産地にも足繁く通い、カカオに精通している人、味覚に精通している人によって行われ討議と投票によって、金銀銅を決めています。
生産国大会が数年前から開催されるようになりましたが、カカオに精通したチョコレートメーカーが逆に多いので、こんなすごいチョコレートがあるのかと驚くようなものも出てくるようになりました。

私の選択方法としては、このICAで受賞する=世界的に様々な味覚を持った人が美味しいと思うもの として多くの受賞チョコレートブランドから日本に紹介するようにしています。
それともう一つはそのチョコレートブランドがダイレクトトレード(直接取引)でカカオを調達、もしくは自分たちでカカオの生産を行っていることです。

上記のアワードには出品していないところも多数ありますので、受賞していない=品質がそれほどでもない、ということにはならないというのが1つの理由と
カカオに関していえば、発酵している・していない だけで品質が決められるものではなく、そのカカオの特徴・どんな味に仕上げたいのかという意図によるカカオの発酵、乾燥のコントロールをしているカカオがすばらしいからであり、そうすると同じカカオであっても答えは1つだけでないということになります。
渋みが出るとしてもフルーティーさを残したいのか。
渋みがなくまろやかな風味にしたいのか。
それだけでもカカオの発酵からやることは変わってきます。
ですので、カカオについては、チョコレートの作り手とカカオの生産者の二人三脚で、同じ風味のゴールを目指して生産しているものが最もおいしいカカオだといえるのではないかと考えています。

ショコラティエがダイレクトトレードをしている場合、たいていは農園に行くときに自分のチョコレートをもっていき、一緒にテースティングします。そうすると、農家の人たちは自分たちのカカオはこんな味のチョコになるのか、ということを理解できます。私も農園に訪問するときは、その農園のカカオ(もしくはその産地の)と、全く異なる産地のものをもっていって一緒に食べるようにしています。農園の人はみなさん、他の産地もとても興味深く聞いてこられるので、食べ比べるのは絶好の理解につながると思っています。
またカカオはその産地、品種、風土によって大きく異なりますので、どれも押しなべて同じようにすればいいというものではありません。それぞれのカカオにとってそれぞれの解があって、たとえばニンジンと玉ねぎどっちが美味しい?と聞かれるくらい比べられないとも言えます。ただ、腐った人参と、美味しく健康的で栄養素が豊富な人参という違いはあります。そこを見極めていかないといけないのだと思います。そうなったときに、顔が見える人から直接買う場合に、腐った人参はほぼ入ってくることはないと言えます。(ほぼ、というのは、、買い手と売り手に信頼関係がない場合に、サンプルとは全く違うカカオを送ってくることがありえるので、100%ではないという意味です)
信頼とフィードバックの循環があることと、ダイレクトトレードをすることで、市場価格に振り回されず、良い取引ができることはトモエサヴールが選ぶチョコレートのポイントのひとつです。

はい。何が何だかわからなくなってきましたね(笑)

結論としては、上記の品評会はある種の指標として役立つので受賞ラベルがあればひとまず安心してもいいといえる。
そのうえで、ダイレクトトレードのショコラティエから購入することでトレーサビリティーもとれていて、作り手の意図する味わいのチョコレートになっている可能性が高い。
そこから信頼できる人のセレクションの中から選ぶ安心感をもっていただく、そのための機関としてトモエサヴールはカカオ産地からこだわって訪問をつづけながら、チョコレートの選択をしています。

フリスホルムのチョコレートにバッドフェルメーションという名前のついたチョコレートがあります。直訳すれば「悪い発酵」という名前。このカカオはほとんど発酵していないカカオで作られていますが、クリオロのDNAを多く持つカカオであるため十分な発酵をさせなかった場合ののびやかなフルーツ感に着目し、わざとそこで発酵をとめたチョコレートということなんですが、これが、カカオの品質の正解が1つではない、ということを表しているといえます。

ここで①②に戻るわけですが、トモエサヴール自体が評価機関的な役割を果たしているといえます。ICAでの審査では世界的な評価、ですがトモエサヴールでの評価は「日本人の味覚として」というものも加えています。そんなわけで、常連で受賞していても日本に紹介することがないチョコレートも存在するのです。

良いチョコに出会いたい方にはぜひ、トモエサヴールで、チョコ体験をしてみてほしい。そこからスタートしていただいて、自分の好みを探す旅に出てもらえたら嬉しいと思っています。

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