International Chocolate Awards British Round の数日後、4月28日より3日間、NYマンハッタン、ホーボーケンにてインターナショナルチョコレートアワード アメリカラウンドの審査が行われました。アメリカ大会は最も大きな大会の1つで、北米、中南米、アジア、オセアニアが応募対象エリアです。2日間の一般審査は、ニューヨークマンハッタン、The Horticultural Society of New Yorkを会場に開催、最終審査はホーボーケンにあるUltramarinosにて行われ、私も審査員として参加してきました。
審査は1日4回の1回あたり約90分のセッションで構成されており、それぞれの間に休憩を挟みます。審査員はこのうち1セッションのみ、2セッション等事前にエントリーをしていて参加します。審査が大変であることは分かっていましたが、どのようなものが出品されているのか、すべてのセッションに参加いたしました。
私のテーブルは2番のテーブル。一緒に座ったのはメキシコの料理の専門家であり料理学校を経営されているRuth Alegria(ルース アレグリア)さん、インターナショナルチョコレートアワードの主要メンバーであるMaricel Presilla(マリセルプレジーラ)さん。他には取材のためにお越しのライターの方などかわるがわるに、着席されました。TV番組の録画も途中入ったりしていました。(後で聞いたところ、ナショナルジオグラフィックだそうです。スペイン語で進行していたので、スペイン語圏の方がインタビューを受けていらっしゃいました。)
審査の際に使うのが、お水、そして塩を入れずに作ったトウモロコシのお粥ポレンタ。そして、3種類の味覚チェックをするチョコレート。たくさんのチョコレートを味わうと、舌の上にチョコレートが残り味覚を狂わせてしまい、正確な判断ができなくなる、、それを防ぎ公正な審査をするためのアイテムです。常温のお水だけでは消えない、舌の上に残る前出のチョコレートの名残を消すために、でんぷん質のポレンタを使って、舌の上の油分を落とすような感じで使うのでパレートクレンザーと呼んでいます。また、味覚チェックでもしも、前回食べた時と同じ味を感じなくなっていたとしたら、判断する基準である自分の味覚が変わってしまっていることを意味します。ですから、自分自身の味覚(受け止める側)がブレていないか確認が必要になるので、頻繁に、このチェックも行います。
セッションでは90分の間に何種類かのプレートが配られ、それぞれのプレートには5~6種類のチョコレートが登録番号、(部門番号と、商品番号の組み合わせ)と、簡単なプロフィール ○○産カカオ ○%などが書かれています。メーカー名などは何も書かれておらず、小片になっているので、形だけでは判断できません。(ボンボンショコラは例外で、見た目の審査もあるので、見た目の審査用に丸ごとの形のものが各テーブルに配られます。試食はハーフカット程度のものをいただきます。)1セッションで、20種類~多くて30種類くらいでしょうか。4セッションともなれば、かなりの種類をテースティングすることになります。それが2日間続き一般審査は終了。
一般審査の結果を集計したのち、上位のアイテムに関して、最終選考会が行われます。ここでは、もう一度テースティングをし、最終選考員によって意見を交わし再度投票をすることに。今回アメリカラウンドでは、この最終選考員としても審査に加わらせていただきました。会場はマンハッタンよりハドソン川を渡ってお隣のニュージャージー州 ホーボーケンにあるウルトラマリノスにて。午前中から開始してなんと最終選考が終わったのは日付がかわった深夜1時。とても長い1日でした。1つ1つ審査の公正さを保つために、私たちの舌がもとに戻るまでに時間をとったり、ディスカッションにも大変時間をとりました。異なる食文化を背景に持つ審査員が集まって、審査をするので、当然ですが意見が食い違うこともあります。ディレクターのMartin Christyが全員の意見を必ずヒヤリングしながらリードしてくれました。メンバーはカカオ産地、カカオ品種にも精通しているため、かなり専門的な話も出てきます。またその土地ならでは、なこともたくさんあるので、審査の傍ら、私にとっては多いに新たな発見と学びもある審査となりました。
アメリカ大会の結果は6月末にセレモニーの予定。日本のアイテムも含まれていますので、結果が楽しみですね!